- 2022年8月16日
昔を残そうやぁ
昔はあれいね から始まる懐かしい話。すっかり忘れていた話や時には初めて聞く話など。馬島公民館の活動として、昔の生活を残すべく、聞き書きを始めてもう4、5年。支所に居られたR氏の薦めで始めた活動だった。その後支所に来られたK氏も応援して下さり。それを励みにどうにか続けている。...
- 2022年8月2日
雑草レクイエム
はるか昔、この島に人が初めて上陸した時、ここは見渡す限りの葛の原じゃったという。そこで島の人達は、葛原親王という桓武天皇の第三皇子を御祭神として祀ったのが、葛原神社の始まりと伝わっているね。 時は移り今に至るが、すっかり人口の減った島の景色は、彼(か)の頃に戻ったように葛が...
- 2022年7月19日
流れ寄るもの
名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実ひとつ。 家の前の海を眺めながらふと思い出した歌。馬島の東の方の水場と呼ぶ海岸は、外海に面しているからか、椰子の実も時折流れ寄っていた。これを持ち帰ったら、芽が出て大きな椰子の木にならんかしらんと思ったものだ。...
- 2022年7月5日
夏の子ども
芋や稲の草取りに背を焦がす大人を横目に、子供達は長い休みを謳歌する。「家の事もあるんけん、二時間でよ」と泳ぎの許しを待ちかねて、脱兎のごとく飛び出してゆく。そんな時代の子供の話。 折しも巨大タンカーが隆盛だった時代。出光のタンクの沖に入港したタンカーを見た少年三人、伝馬船に...
- 2022年5月3日
芋の話
島で芋といえばサツマイモ。どこの家でも「うちの芋が一番美味い」ちゅう芋畑がありよったちゃあね。 戦後の子の私たちが芋と聞くと、一瞬切ない思いをする人もあると思う。何しろ芋にはああちょった(飽きていた)けんね。芋のある間はおやつはもちろん三度の飯の一度は芋ちゅうことも珍しゅう...
- 2022年4月19日
うじゃける話
つい最近の話。息子が「わしは額にかいいもんが出来て、かゆうてやれんのよ」と言うから、「どれどれ」と見てみるともうブツブツは無くなって、赤みが出て「うじゃけ」ちょった。私が「これはもう、うじゃけちょらあね」と言ったら、息子「うじゃけるちゃあ何か。初めて聞く言葉じゃが」と言う。...