
- 5月3日
芋の話
島で芋といえばサツマイモ。どこの家でも「うちの芋が一番美味い」ちゅう芋畑がありよったちゃあね。 戦後の子の私たちが芋と聞くと、一瞬切ない思いをする人もあると思う。何しろ芋にはああちょった(飽きていた)けんね。芋のある間はおやつはもちろん三度の飯の一度は芋ちゅうことも珍しゅう...

- 4月19日
うじゃける話
つい最近の話。息子が「わしは額にかいいもんが出来て、かゆうてやれんのよ」と言うから、「どれどれ」と見てみるともうブツブツは無くなって、赤みが出て「うじゃけ」ちょった。私が「これはもう、うじゃけちょらあね」と言ったら、息子「うじゃけるちゃあ何か。初めて聞く言葉じゃが」と言う。...

- 4月5日
春と桜と母
今年の冬はどうも暖冬のようなね。 公園や校庭には野生の菜の花が咲き揃っているし、山ではフキノトウが早くも収穫後だったし、ミモザももうすぐ満開になる。じきにサクランボの花が咲くじゃろうね。続いて山桜や乙女桜が、そしてソメイヨシノが綺麗に咲くじゃろう。...

- 3月22日
カアチャンらぁのヨイトマケ
今でこそ馬島から本浦近江までも、車でサアーと行けるけど、昔は細折(ほそおり)から登り、昼間でも暗い山道を一時間余りも歩いて行くしかなかった。その道の途中には、死んだ赤子の声がせるちゅう赤子岩やら、首吊りの話が有ったりせて、何かに追われるような心地で歩いたもんじゃった。...

- 3月15日
【掲載情報】島食堂ひなた・ふれあいセンター
瀬戸内を共有する7県(兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県)の魅力を世界に発信する「瀬戸内Finder(ファインダー)」にて、大津島の特集取材が組まれ、その中で「島食堂ひなた」「ふれあいセンター」をご紹介いただきました。...

- 3月8日
昭和の情景から
この前、妹が宮本常一の「昭和の情景」という本を貸してくれた。 そのなかに呉市豊島の写真に、赤ちゃんが藁で編んだ丸いツグラという篭のような物に座った写真がある。篭のぐるりには赤ちゃんを傷つけないためだろう、上の縁は布で囲ってある。「こうして母親の手を取らせぬように工夫して、親...